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ゆく6月に・・・ [エートマンの日記]

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 今日で、6月も終わり・・・
で、よくいわれることですが、6月の終わりは、2007年の前半戦が終了・・・
なのであります。

 6月の終わりに、この「6月」という月に起こったある歴史的な出来事を
1つ見ておきたいと思います。
それは、6月26日に訪れた上の写真の甲府城跡の天守台の上に
静かにたたずむ石碑に刻まれた歴史です。

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 こちらのその甲府城天守台の跡に立つ石碑で、
「明治天皇御登臨之碑」であります。
こちらの写真の右手が、南面する正面で先の文言が刻まれ、
正面から見て左側側面に経緯が書かれています。

 いまその文面を横書きで書きとめると

   明治十三年六月 明治天皇本県 御巡幸ノ際同月二    十一日 親シク 御登臨 御國見遊ハサレシ処ナリ

とあって、明治13(1880)年6月21日に、時の天皇がこの天守台跡に登られ、
周囲を観望されたという歴史的な事実を記したものであることがわかります。
また背面の銘文から、この碑が昭和13年に刻まれたことがわかります。

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 碑文の主要な部分をクローズアップしてみました。
碑文の中で、「明治天皇」や「御巡幸」、「御登臨」、「御國見」などの文字の前で1字分のスペースがあることが気になりますが、
これは、“欠字”といって天皇や貴人の名や行為の言葉の前を一字か二字開けて、
十分な敬意を示すことなのです。

 1880年の6月の出来事が、1938年3月に石碑として記録されたのを、
2007年の6月に眺めることができたという次第です。 なお、このときの御巡幸の思い出として、その年の秋に、次のような御製が残されています。

   「えびかずら 色付き染めぬ 山梨の 里の秋風 寒くなるらし」

 “えびかずら”は、この場合、ブドウの雅称と見られ、
(あの頃は、一面に緑だった)ブドウの葉が(今ごろは)色づきをなしている山梨は、
里の秋風もいちだんと冷たくなっているだろうなぁ・・・
と、そんな感慨を残されておられることを、「御登臨之碑」に添えたいと思います。

 なおなお、この御製を刻した碑も城跡に置かれています。
甲府城跡にお出かけの節は、こうした歴史の一面にも目を向けられたら
いかがでしょうか。
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