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そうだったのか・・・ [川と橋の文化誌]

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 甲府盆地の南縁をほぼ東西に走る国道140号が、
市川三郷町上野地内で、新押出川橋により、
御坂山地の桜峠より流れ出る押出川を渡るところ、その東詰に、
ポケットパーキングエリアがあります。
ここは、バードウォッチングに適している場所で、
春は揚げヒバリ、冬には、猛禽類などが観察できます。
以前から、その存在は知っていて、何度か訪れていて、
今回紹介する写真のオブジェの存在も承知していたのですが、
それが何であるかは、気にもとめなかったのです。

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 それがこのほど、あらためて「それが何であるか」気がついたのです。
というのも、何の説明もないので、何か変わったアート作品だと、
それにしては、あんまり惹きつけられるものではないなあ・・・と。
なので、それに気付いたときは、ちょっと、感動ものでした。
オブジェの上部につけられていたもの、それは、
橋梁につけられている鋳造のプレートなのでありました。
 陽刻されている内容を書き起こすと

  昭和26年3月竣功
   山 梨 縣
    二 等 橋
 制作 株・横河橋梁製作所


 内容的に見て、道路示方書の基準を示すプレートだと思いますが、
この頃のものには、橋の名称は書き込まれなかったようです。
いったいどこの橋のプレートだったのか、新たな疑問です。

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 その疑問は、このオブジェの一番下、台座のような部分に、
こんな写真を焼き付けたプレートが埋め込まれていたことにより、氷解しました。
 この写真についても、特に説明もないみたいでしたが、
重要な手がかりなので、さらにクローズアップしてみます。

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 3連のトラス橋。その脇に新しい、まだ未供用の桁橋が映っています。
この新しい方の橋は、確かに桃林橋です。
ということは、
 1)航空写真は、いまは撤去された桃林橋の旧橋と、現橋が
     同時存在していたときのもの
 2)プレートは、一部3連トラスだった旧桃林橋のもの
 3)オブジェの真ん中の鉄製物体は、橋台とトラス橋の桁の間に介在した部品
という理解でいいのではないか。

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 このオブジェから上流側を見ると、遠くに新しくなった桃林橋が見えます。
そしてかつてのトラス橋だったころを偲ばせるてくれるのが、
このオブジェなのでありました。
それにしても、いくらかでも、そうした説明があれば、もっと活きるのに・・・。

 えっ、トラスのお化けが写り込んでいるじゃないか??? ですって。
あぁ、それは、桃林橋の向こう側に存在する、JR身延線の富士川橋梁なんですよ、
旧桃林橋のお化けではありません。あしからず。


《追記》画像データの再構成など、部分修正を行いました。2018年1月4日
    なお、記事の後半のまとめの部分で 3)橋台とトラス橋の桁の間に介在した部品
   としたものは、橋梁の専門用語で「支承(ししょう)」と呼ばれるものだということ
   を補足します。

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