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もの言わぬ物にもの言わせる・・・ [地域の小さな歴史]

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 このところ続いている“大津町逍遙シリーズ”の最終回です。
例の不思議な空間に出くわす直前、そう広くないローカル色豊かな集落内の道路を歩いていたとき、
ある民家の通りに面した物置の壁に、それはそれは不思議な(でもないか・・・)もの見ました。
でもこの写真では、壁にとけ込んでいてわかりにくいですね。

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 少し斜め横から見ましたよ。これならわかりますよね。
えっ、わからない???
だめですよ、こうしたの、わからなければ・・・。
 これはですね、あれですよ、あれ!
いまでは、ほとんど使われることはないと思われますが、
広い水田に、田植えをする際、これを引いて筋をつけて、等間隔に稲の苗が植えられるよう、
目印をつける道具ですよ、たぶん(いい加減な話ですね、でも確度たかいですよ)。
この地域は、かつては、水田稲作が盛んな地域でした。
いまは・・・。

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 またまた、別な通りに面した土蔵の壁です。
表面を漆喰などで塗り固めることのない、素朴な土壁、そこに歴史を感じました。

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 伝統的な工法の土壁、藁を切り刻んで、繋ぎ材として、壁の強度を高めています。
でもね、何かの理由で痛んでしまい、すうっとクラックが入ったので、補修がされています。
補修の際には、藁ではなくて、金網を繋ぎ材にしているようです。
面白いですね。

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 あやー、土壁の中に、なぜか二枚貝の殻が入っています。
なぜかしら・・・、貝塚の近くからでも壁土の素材を採ってきたのでしょうか。

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 貝塚とくれば、土器が出てきたりする? うーん、これ、土器みたいですね。
土蔵の壁面は、遺跡だった・・・みたいな、思い切り不思議な話でした。

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 この土蔵の屋根は、桟瓦葺き。それで、その軒瓦は、基本的に素文のものですが、
1つだけ紋様のある軒桟瓦がありました。
こうした状況は大正から昭和の前半ごろの感じかなと思われます(実際はどうかしら・・・)。

 壁に掛かっていた農具や、土壁、そして屋根瓦・・・。
もの言わぬこれらの物に、思い切り物を言わせてしまいました。
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