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にしぐんま・207 [送電線と鉄塔&発電所・変電所]

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 国道20号の笹子トンネルのある辺り、甲州市大和町の道の駅から
東側のお山を見上げると、そこに西群馬幹線の送電線鉄塔が見えました。
この鉄塔は、いくら望遠しても、肝心の鉄塔番号のプレートは位置的に確認できません。

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 この1つ南側の鉄塔を望遠したところ、ボヤッとして数字の存在はわかるものの
確定はできない状態でした。
でも、グーグルマップ(航空写真)上で、以前取り上げた213号鉄塔から順にたどって
こちらのボヤッとしているのが、208号だと突き止め、したがって・・・。

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 こちら西群馬幹線の207号鉄塔であります、と。
あらら、鉄塔が写真の右隅にズレ過ぎですね。
ああっ、青い空をバックに、吊られている何本もの送電線のうち、
一番上に張られている架空地線、2本あるものの片側に、例のあれが付いていますよ。
あれじゃ、わかりませんね。白いのと赤いのと、例の玉です。

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 望遠撮影のそのままのサイズから赤い玉、抜き出してみました。
どうもこれは最近つけられたもののようで、これまでも二、三取り上げてきた対空標識であります。次項有先ず、その事故の概要から・・・

 2004年3月7日、長野県南木曽町で起きました。
信越放送が取材用にチャーターした中日本航空株式会社のヘリが墜落したのです。
ヘリは、同町内で起きた4人が死傷という交通事故を空から取材するため、
パイロットの他、信越放送の女性記者ら計4人をのせて現場に急行していましたが、
途中を通過していた送電線に接触、墜落、そして搭乗員全員の死亡ということに。

次項有2010年4月27日にあった東京高裁の民事訴訟の判決では・・・

 この民事訴訟は、国と中日本航空、信越放送と送電線の設置者である中部電力を相手取り
死亡した信越放送女性記者の遺族が起こされたものです。
損害賠償のほか、責任の所在の明確化、再発防止策の確立、謝罪などが求められていました。
 この日、出された控訴審の判決は、事故原因となった送電線が
航空法上、設置義務がある「地表から60メートル以上の高さの物件」に当たるとして、
標識を設置していなかった中部電力の過失を認めたものとなりました。

次項有以前の理解と事故後の対応について・・・

 高さ60mの規定は以前からありました。しかし理解が少し違っていたようです。
谷を渡る送電線などでは、ふつう谷底には鉄塔が建ちません。谷の左右の
より高い場所に鉄塔を建てて電線を架空します。
その際、両側の鉄塔の高さが60m未満であれば・・・となっていたようです。
しかし、今回の事故後の係争を通じて、そうではないぞ、ということになったようです。
 対応策は、対空標識の設置。
送電線の最上部に渡される電力を直接伝送しない架空地線に一定間隔で赤白のボールをつける・・・
これが1つの解決策となっています。

 今回の記事、西群馬幹線206~207号鉄塔間で見られた赤と白のボールは
そうした背景によって、近年設置されたのだといえそうです。

 なお、この記事は、いつもながらの主観と一定の偏見によっています。
引用や何かの参考にされる場合は、もう一度事実を確認されますようお願いいたします。

 また、この記事を作成するのに、朝日新聞2010年4月28日付けの記事と
(この記事と同じ内容が asahi.com配信の「二審も中部電力に賠償命令 信越放送ヘリ墜落」
ご遺族による「航空取材の安全のために」というサイトとを参考にしています。
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