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てんづしのまい [まつり・行事]

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 今日は、昨日から発達した低気圧が列島を通過し、春の嵐がもたらされました。
それでも、伝統の祭典や行事が各地で行われましたが、とくに「天津司の舞」を見てきました。
後々のため、そのようすを記録しておきたいと思います。

 最初の写真は、甲府市小瀬町にある天津司神社です。
お昼を少し回った頃、人だかりが出来ていました。祭典の始まりの時です。

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 神事が行われた後、準備が整えられた人形が、順にお宮を出て行きます。
今回のテーマの天津司の舞は、この天津司神社で行われるのではなく、
ここから南に数百メートル隔てた鈴の宮(諏訪神社)まで、御幸し、そこで演じられるのです。

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 神社境内を出て隊列を成して、鈴の宮まで御幸する人形の神々たちです。

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 天津司神社の神々が出立した後、天津司神社の拝殿に張り出されていた次第をチェックしました。
それによると、11時50分に、神官さまが神社にお見えになり、
正午から30分ほど神事が行われ、その後、今回紹介し始めた御幸に移ります。
この御幸の項には、「神官の先導により(略)お成道行進」と注釈が添えられていました。
12時50分に鈴の宮・諏訪神社に到着、「お船囲い内にて」のお舞奉納が1時から50分まで。
その後、2時には還御で、「時間については多少前後することがあります」とコメントがありました。

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 さて、お成道ですが、昔はずっと田んぼが広がる中を、未舗装の道によって
2つの神社を結んでいたものだそうですが、昭和61年に開催された国体のメイン会場として
整備された県営の小瀬スポーツ公園の中に取り込まれることになりまして、
背後に野球場のスコアボードを望む公園内を、9体の神々の御渡りがなされています。

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 すべてが公園内というわけでもなく、後半は、
右手に民家が続き、左手は公園という景観となります。

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 御幸の少し前に確認をしておいた、公園から出てまっすぐな道となる部分ですが、
公園敷地内に、「天津司の舞・お成り道」という表示板が立てられていました。

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 さて、神官に先導された9体の神々を中心とした隊列は、
無事、鈴の宮・諏訪神社に到着しました。

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 神々が諏訪神社の拝殿前に整列し、いよいよ舞に移ろうという時になって、
怪しげだった空から、雨と風が押し寄せてきたので、神々は
いそいそと拝殿内に一時避難となりました。

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 しばらくして日が差してきて、祭りは再会となりました。

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 神々は、諏訪の神様に一礼の後、お船にお入りになり、舞の上演となります。

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 楽士の役割の人形(神様)から順にお船に入られる場面です。

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 ここでお船について、確認しておきます。
これは、御幸が始まる前の時間帯に撮影しておいたものですが、
円形に幕を張り、画面中央やや右手の部分が入り口となります。
この中が舞台であり、幕の部分が人形遣いの方々や笛・太鼓の楽部の方々の演じる場で、
幕から上に出て神々の舞が繰り広げられ、観衆は、船の上にあげられた舞を楽しむ・・・
という設定であります。

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 それから、お船に入って舞が始まるまでは、神々はお顔を赤い布で隠されています。
船の外の不浄の世界を見ないようにということかしら・・・これは想像ですが。

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 さて、9柱の神々がお船に入られると、いよいよ舞の始まりです。
まずはこれらの2体のささら楽士の登場からで、それぞれ一のささら、二のささらと呼ばれ、
お船の中を対になって、何度か回り、太鼓の音に合わせ、ささらをならしたりもします。
また、笛太鼓のリズムがかわり、少し激しめな舞を演じたりもします。

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 ささら楽士の後を受けるのは、太鼓楽士です。
こちらも一の太鼓、二の太鼓が、ぐるりぐるりと回りながら舞います。

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 次は、鼓と笛の楽士。

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 ささらや太鼓と同様に、鼓の楽士と笛の楽士も、後半になると
リズミカルに踊る場面がやってきます。
手前の鼓の楽士さん、楽しそうに体を動かしているところです。

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 その後は、両手に刀をもった鹿島様。
この鹿島様だけは、単独での舞をなさいます。
そして動きの速くなる後半には、小刀の形代がお船から外に投げられます。
この刀の形代を拾うと御利益があるとされています。

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 最後は、お姫様と鬼様の舞。
お姫様は、気高い表情で両手を動かし優雅に舞い、
鬼様は、おどろおどろしい表情の中に、ユーモラスな含みもある舞を演じます。

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 観客は、お船を取り囲み、それぞれに演じられる、古い古い形態の人形遣いの舞を楽しみます。

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 夢中で見ていて時を忘れそうになりますが、一通りの舞が演じきられると
また元のようにお顔を赤い布で隠し、鈴の宮諏訪神社の拝殿前に居並び、拝礼の後・・・

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 役員さんたちの先導で、天津司神社への還御の途につきます。

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 小瀬のスポーツ公園の脇を通る御成道をしずしずと天津司神社に向かって
お帰りになるのでありました。また来年・・・。


《補記:2024.4.23》画像リンクの再設定を行いました。

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