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畔沢川に架かる万年橋 [川と橋の文化誌]

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 山梨県内には、「万年橋」と呼ばれる橋がいくつもある・・・
ということに気付いたのは、5年ほど前のことです。
では、いったいいくつあるのか、どこにあるのか。それから万年橋の巡礼の旅が始まりました。
 これまでに、 春木川(早川水系)、笛吹川(笛吹川水系)、鎌田川(同)、荒川(同)、濁川(同)、
須玉川(釜無川水系)に各1つと新川(富士川水系)に2つの計8橋を確認しています。
だから、今回のは9橋目の万年橋ということになります。

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 そして、富士川町を流れる、戸川の支流・畔沢川に、追い求めている万年橋があることが
数日前に確認され、昨日、現地を確認してきました。

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 その大まかな位置は、上の空撮マップにプロットしたとおりです。

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 それからもう少し細かな状況についてですが、それも上図のような感じです。
この図に照らしながら、9番目の万年橋の観察記録をまとめておきたいと思います。130525mannenbashi03.jpg

 1つめの写真を再度ご覧ください。
県道406号高下鰍沢線が畔沢川を渡る状況を、前に示した地図の左手、
すなわち高下側から見たものです。
 以前は、この写真の左側の崖の際を県道が通っていたようですが、県道の改修とともに
万年橋が掛け替えられ(地図参照)、付近の道路の線形は、写真のように美しくなっていて、
どこが橋がなのか、注意しないとわからないほどになっています。

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 どこが橋なのか見過ごしてしまいそうな理由の1つとして、欄干の前後に
明確な親柱がないことがあげられそうです。
こちらは、西詰(高下側)の下流側の親柱に相当する場所のようすですが、
「万年橋」と橋の名称を刻したプレートがさりげなく付いていました。

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 上流側の東詰(鰍沢側)には、「竣工 平成20年6月」とのプレートがありました。
まもなく5歳のお誕生日がやってくるというところですね。

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 一方、上流側の西詰や、

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 下流側の東詰には、一般的に見られる橋名の読み仮名や河川名を示すものが見られません。
ちょっと風変わりな感じがしました。

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 橋から上流側の流れを見ました。
この辺りでは、畔沢川の川幅はそう広くはありません。

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 下流側に目をやると、そこには先代の橋の痕跡が残っているのが確認されました。
そう画面の中央に見えるコンクリートの護岸に見えるのは、旧橋の西詰の橋台のようでした。

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 それで、旧橋のようすを見に県道を外れ、旧道跡に足を踏み入れて振り返りざまに
万年橋の全景を見たものです。
ここからの観察で、以前の橋は、県道と斜めに交差する関係ではありつつも、
川の流れに直行する形で架橋されていたのですが、平成20年竣工の新橋では、きわめて斜めに
架けているので、橋の長さも必然的に旧橋よりも長くなっていました。

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 さらに新橋に再び近づいてみたところ、さび色の処理をしてある鋼製橋桁の側面に
道路示方書のバージョンなど設計に関する情報をまとめたプレートが付いていました。

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 そのクローズアップです。
これにより山梨県の土木部(現県土整備部)が架橋したもので、2002年の示方書に基づいた
B活荷重の基準を満たした、すなわち昔にいう一等橋として設計施工されたものと理解されます。
 そうした基準の表れとして、その段階での耐震性をクリアした支承として、積層ゴムダンパーが
使用されていることも前の写真で確認できます。

 以上、9つめの万年橋の観察記でした。(この記事のはじめに戻る)(このブログのトップ
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