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川に想う・1 鎌田川 [川と橋の文化誌]

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 甲府市大里町地内を流れる鎌田川です。

 “かまたがわ”―個人的に(って、そんなんばっかだけど)この響きが好きです。
 「鎌田」は、平末鎌初の荘園の名としても知られ、とても古い地名で、
鎌田川は、由緒あるその地を北から南へ緩く弧を描きながら
ゆったりと流れ下っていく川です。

 アニメ『千と千尋』のお話ではないけど、きっとこの川にも
りっぱな神格があったんだろうなぁ・・・
川の畔にたち、そんな想いがしました(いまも、あるのかしら・・・)。

 この鎌田川、ずうっとずうっと昔は、釜無川の流路だったこともある
とも考えられています(『角川日本地名大辞典』19 p.263)。

 それから鎌田川といえば、なんといってもゲンジボタル。
江戸時代の『甲斐国志』にも「螢火多シ」と記されてもおり、
またゲンジボタル発生地として国の天然記念物に指定された
経過もあるようです。
 しかし、ホタルの幼虫の主な餌となっていたミヤイリガイは
地方病ともよばれる、日本住血吸虫病の原体を宿していたことから
病原を根絶させる取り組みの中で、急激に数を減らし、
そうしたことや、また近年の水質の悪化などにもより
ゲンジボタルも徐々に姿を見せなくなってきました。
 このため、国の天然記念物としての発生地の指定も
昭和51年3月に解除されています。

 鎌田川の支流今川などでは、ホタルを復活させる取り組みも
進められているとの話を耳にしますが、
この写真のように、本流の鎌田川は、昔からの生き物などにとって
かなりきびしい環境であることを見せつけています。

 川がこんなになっている・・・人間の生きる姿も、そんなんだろうなぁ
長い歴史に照らしてみれば・・・
そんなこと想いながら、しばし流れを見つめる時間がありました(6/19)。

《追記》画像データの差し替えと記事名修正を行いました。2018年1月3日