こかげさん [エートマンの日記]
前日の記事で、貨車を引く電気機関車を見た後、
満足して別な対象の取材をしていたら、新型電車が云々と書きましたが、
今日の最初の写真は、その別な対象そのものです。
左手に中央線の線路が見えますが、その傍らにある道祖神場のような空間です。
もっとも道祖神は見られないようで、大岳山権現など、
いくつかの神様が祀られてますので、別な祭祀の場と考えておきましょう。
実は、好きなんです・・・こんな感じの場所が。
その一角にある石造物ですが、草書で「蚕影山」と書かれています。
これで、「こかげさん」と読みますが、これは昔、
この地域で養蚕が盛んに行われていたことの名残で、
労働集約型の農業の典型である養蚕ですが、けっこう病気などで
その生育が順調にいかず、時によっては、手間をかけてもう少しという時に
全滅してしまうようなこともあったようで、
そうしたカイコが順調に育ち、収入にきちんと結びつくようにと
神に祈ったのが、そもそもの「こかげさん」です。
こちらも同様な祭祀的空間ですが、もう少し笛吹川をさかのぼった、
亀甲橋の西のたもと近くにありました。
ここにも「こかげさん」が、ご丁寧に2つ、祀られていました。
これと・・・
こちらです。
なお、初めの方で、カイコが病気に弱いと書きましたが、
県立博物館の江戸時代の農家のジオラマ展示で、養蚕農家の前庭に、
カイコ飼育用のむしろを天日干しし、日光消毒により、
病害を防ごうとしているようすが再現されていますが、
この「こかげさん」に関連して、そんな光景が思い起こされます。