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丸山貯水池ないしは千代田湖 [地域の小さな歴史]

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 先日(3/17)、墓参の後、千代田湖にいきました。
この湖は、70年ほど前にできた人造湖で、県内最大の農業用貯水池です。
歴史的には、丸山貯水池と公称されたようですが、
いまでは千代田湖の通称が広く知られ、観光名所となっています。
 この日は、天気もそこそこよく、釣り糸をたれる人々の姿が多く見られました。
湖の周辺は、花崗岩質の岩山で、赤松が多くはえています。
風化した花崗岩の路頭があるため、白山と呼ばれる小高い展望台に登ると
この人造湖が一望できます(望遠レンズ装着だったので部分写真となりましたが・・・)。

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 この白山に登る途中、記念碑が建てられ、その傍らには、
いわくありげなブロンズ胸像も設置されていました。

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 碑文の一部ですが、ネガポジ反転させ、文字を浮き上がらせています。
長文の漢字カナ交じり口語体の文章ですが、比較的読みやすく、
千代田湖が誕生した経緯がつづられています。
事業自体は、千代田村第二耕地整理事業とされているもので、
記念碑の碑文の上部にある篆書の額には、「第二耕地整理之碑」と記されています。

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 例によって、碑文本体の文面を書き起こしてみました。
こうした作業を通して、はじめてそこに流れている
地域の生の歴史にふれることができるように思いました。
 そうそう、この記念碑のお隣におられた胸像の方は、
この千代田村第二耕地整理組合の組合長さんで、
1939年(昭和14・碑文中では紀元2599年)に建碑した際の篆額と
本文を書かれた神宮司新太郎さんという方なのでありました。

 なお、この文面を理解するため、
『角川地名大辞典 19 山梨県』の「千代田湖」の項を
抜き書きして参考に供したいと思います。

  甲府市街北方、和田山の北、下帯那町にある農業用貯水池。
  旧村名から千代田湖と称する。貯水面積0.26km2・最大深度
  12.7m・有効貯水量145t。昭和12年2月、県営農業水利改良
  事業として6億1,400万円をもって完成した。高さ19m・堤長
  83mのアースダム(土堤)は帯那川と凹地をせき止めたもの
  で荒川沿岸の耕地1,599haに用水補給している。農業用水補
  給の専用ダムとしては県下最大。甲府市が荒川からの上水
  道取水量を増す水道拡張計画の解決策として灌漑水利補償
  費を出資している。(略)