SSブログ

とーはく点描 [博物館・展示会]

080415tohaku07.jpg

 前回に引き続き、東京国立博物館の見たままをご紹介です。
まずは、本館の屋根の棟の西端の鬼瓦です。
「薬師寺展」にも鬼瓦が展示されていましたが、
こちらは昭和の甍の現役鬼瓦です。
その目には、どんなものが映ってきたのでしょうか。

080415tohaku04.jpg

 本館から平成館につながるパスの、ポスター展示コーナーです。

080415tohaku05.jpg

 そのパスの中程に、休憩コーナーがあり、
外の自然も眺めながら、一休みできるところですが、
わかりやすい催し物案内が掲示してあったり、
全体におしゃれです。

080415tohaku06nomi.jpg

 そのまま平成館1階に進むと、日本の考古学を紹介する展示室に・・・。
展示品には、撮影可能なものもありました。
古墳時代のコーナーで、ちょっと目がとまったものです。
これって大工さんが使うノミ(鑿)です。
1000数百年を経ても変わらないものがあるのですね。
出土地は、中央市の王塚古墳のようです。
ちょっとびっくりでした。

080415tohaku08midorinolion.jpg

 こちらは、約百年前にできた表慶館。
ながらく考古資料などが展示されてきましたが、昨年(2007)から
教育普及事業を専門とする「みどりのライオン」に生まれ変わっていました。

080415tohaku08.jpg

 内部にはいると、今日は、○○小学校○年生、△△中学校△年生など
利用を事前に申し込んでいる学校のスケジュールが出ていました。
日替わりでこうした対応をされているなんて、
“とうはく”のイメージも変わりますね。

080415tohaku09.jpg

 実際に行われていた体験メニューです。
歴史的な鏡の裏面の模様、一つひとつの模様構成要素を理解し、
自分なりに組み合わせて、オリジナル鏡をデザインしよう・・・というもので、
スタンプとなっている要素を、鏡をかたどった紙に押していきます。
このときは、大人の方々がとりこになっていました。

080415tohaku10.jpg

 最後に2000年に新装なった法隆寺館のロビーで、
光が変化して、悠久の時を感じさせてくれる瞬間にシャッターが反応しました。

“ユリノキの博物館” [博物館・展示会]

080415tohaku01.jpg

 今日は、東京国立博物館にお出かけしました。
はじめの写真は、おなじみの博物館本館の建物全景ですね。

080415tohaku02yurinoki.jpg

 上野の森も、桜は山を越して、新緑の時期に移行していました。
博物館の本館の前にある大きな木も新緑につつまれていました。
ところで、この大きな木、いままでほとんど注意してこなかったのですが、
おおかたクスノキだろうくらいに思っていて、ふと木をとめると
クスノキは常緑樹なので、こうした木全体が新緑につつまれるって変だな・・・、
そう思って、説明板にじっくりと目をやると・・・。

080415tohaku02setsumeiban.jpg

 あら、たいへん。
ブログ主の好きなユリノキだったのです。
それもわが国にはいって初代くらいのユリノキだと。
またこうしたことから、東京港区立博物館は、「ユリノキの博物館」とも
呼ばれることがあったんだと・・・。
いやー、何度もおじゃましてるのですが、初めて知ったことです。

080415tohaku03.jpg

 ところで、今日の目的は、ユリノキとのご対面がメインではありませんでした。
そうです。いま話題の「薬師寺展」を見学してきたのです。
感激でした。


《参考》
 これまでのこのブログ内での「ユリノキ」関係の記事一覧
2005.11.10 tulip tree
2006.06.10 ユリノキ
2007.05.26 ユリノキ・マップ

まいづるはし [川と橋の文化誌]

080412maizuruhashi04.jpg

 富士川上流の釜無川支流の大武川にかかる舞鶴橋です。
前回の記事の中のマップに示した位置にあります。

080412maizuruhashi01.jpg

 舞鶴橋は、3つの橋脚をもつコンクリート製の桁橋です。

080412maizuruhashi02joryu.jpg

 この舞鶴橋から上流を見ると、遠くに大武川の源流がある
甲斐駒ヶ岳が望めます。

080412maizuruhashi03karyu.jpg

 反対の下流方向を望みました。
ずっと先で釜無川本流に合流しますが、その手前に
国道20号の大武川橋のトラス鉄橋が見えます。
(この写真ではちょっとわかりにくくてすみません。いつかは近くで・・・。)

080412maizuruhashi05.jpg

 舞鶴橋のコンクリート製の橋桁につけられている
道路示方書にもとづく橋の規格などを示したプレートです。
これによると、1985年4月にできあがった橋で、
1978年版のスタンダードにもとづく1等橋だとわかります。
 ところで、橋の名前の「舞鶴」は、この橋の北方にある万休院という寺院にあった
有名な「舞鶴のマツ」という国の天然記念物に拠った命名と思われます。
しかし、その「舞鶴のマツ」は、松枯れの病に倒れ、文化財指定も解除され、
このほど切り倒されたと聞きます。
そんな話題を頭の隅に起きながら、渡ったこの舞鶴橋、ちょっともの悲しい気分に・・・。

080412maizuruhashi06karyu2.jpg

 さて、気を取り直して橋から川をのぞくと、
流れの急な大武川の河床は、洗掘を受けやすいらしく、
河床の整備が、魚道の確保も含め、念入りにしてありました。

080412plate.jpg

 そして、右岸の橋のたもとには、こんなプレートが・・・。
「大武川第44床固」と題されていて、
河床の整備工事の施行記念プレートだと理解されました。
平成16年3月の完成で、この時の、近くの武川小学校の5年生が
題字を書かれているようですが、
こうした話題は、なんともうれしくなります。
国土交通省さんも、けっこう粋な計らいをなされていますね。

さねはらのサクラなみき [はないちもんめ]

080412saneharasakura02.jpg

 この春は、サクラづくしとでもいうような・・・
この日(4/12)は、神代桜の見学の後、足を伸ばして(文字通りでした)、
真原(さねはら)の桜並木も見てきました。
もちろん初めてでした。
地域のまっすぐな通りの両側に、桜が植えられ、桜並木が
これまたたいへん有名になっているようです。
こちらも観光バスがしきりに乗り付け、近くの昇降場から
多くの方が歩き、また県外ナンバーの多くのマイカーが
じゃんじゃん狭い道を行き交い、こちらもたいへんでした。

080412saneharasakura01.jpg

 通りを歩いていると、なかなかわかりませんが
仮設の駐車場の方に少し外れてみると、これまたすごい並木だなぁ~
と、感激しきり。
まあ、当方の視点は、花を見るというよりは、
人はいったいどんなものに惹かれ、どんなところに集まるのか、
どうしたら多くの方の耳目を惹きつけることができるのか、
だいそれたことをいえば、そんな世の中を斜めに見るような
そんな桜見物でありました。

080412map2.jpg

 この日も、徹底して歩きました。
このマップに示したとおり、7~8kmにもなるでしょうか。
多くの方が車に頼って、えっ、こんなところにまで?
と思うようなところまで、遠くからのナンバーをつけて、行き交っていますが、
やはり歩かないと、見えるものも見えないよなぁ・・・
折からの花の香り、若葉の香りを存分に楽しみました、
時折、鼻が曲がりそうな排ガスと、何こんなとこのんびりあるいてるんだか~
という冷たい視線を浴びながら・・・

じっそうじ [寺院めぐり]

080412jissouji01.jpg
 今日、お参りしたのは、北杜市武川町の実相寺さんです。
遠くに花に包まれたお寺さんが見えてきました。
この辺りまでこぎつけるのにもうたいへん。
人手がとても多く、車も非常に混み合っていました。

080412jissouji02.jpg
 山門前です。
これからお参りする人や、お参りから帰られる方でにぎわい、
山門前には、いくつも仮設の売店ができていました。

080412jissouji03.jpg

 山門をくぐると、そこはもう別世界・・・というほど、
色とりどりのチューリップ、濃淡を織り交ぜたスイセン。
それに豪華絢爛なサクラたち。
人手がすごいのも、納得です。

080412jissouji04hondo.jpg

 このお寺さんをこの時期に多くの方が訪れるその最大のお目当ては・・・
その前に、「ご本堂にお参りしてください」との立て札があり、
ご本堂前に進み、手を合わせました(っけ?! 気もそぞろ・・・)。

080412jissouji05jindaizakura01.jpg

 そうです。お初にお目にかかります。
こちらにおわすは、彼の有名な「神代桜」さまにおわせらる・・・
それにしても、たいへんな人また人でした。

080412jissouji06jindaizakura02.jpg

 お参りと神代桜見物を終えて、境外からもう一眺め・・・。
ありがたや、ありがたや・・・。

世界中から見られている・・・ [エートマンのウェブメモ]

080411whatarethey.jpg

 このブログもこのところ、ご覧くださる方の数が増えてきていて
とてもうれしい限りでございます。
 昨日の「269gサービス」から提供されているアクセス解析を見ていたところ、
びくりすることが2つありました。
 1つは、昨日の訪問者数は、123人。
これまでで一番多かったのかな、と思います。
前回に「一番多かったよ」という趣旨のアナウンスを行ったのは、
今年の2月1日の記事「きさらぎ2008」の中でありました。
このときは「110人」でありましたので、記録更新です。
普段は、60~90人/日当たり、です。
 もう1つのびっくりは、上の写真のような状況を確認したことです。
「269gサービス」のアクセス解析には、どんなキーワードで
しかもどこの検索エンジンからこのブログに見えたかがわかるのですが、
なんと、googleで、しかも.co.jpじゃないヤツで検索されてここに来られた方が
おられたということです。
写真のタイトルは「えーと 何だっけ?!」に相当する部分が
「Well what are they ?!」と英語になっているので、
英語版のgoogleかと思いきや、その他の部分は、
何かわからない言語になっているのです。
うれしいやら、はずかしいやら・・・どこの国のどんな方が・・・?
それにしても「えーと 何だっけ?!」は「Well what are they ?!」なんだ。
これって自動翻訳機能でこうなっているのですが、
勉強になりました。

*注)当ブログ『えーと 何だっけ?!』は、2005年11月にスタートしましたが、
  開始から2016年4月までは、「269gサービス」というブログシステムに
  によっていました。この記事は、その段階のものです。しかし、この長年
  お世話になった「269gサービス」は、2016年4月27日をもって終了となっ
  てしまいました。その後は、現在ご覧のSo-net Blogに移行して今に至って
  おります。2,000件を超えるバックナンバーについても、少しずつ引っ越し
  して、あわせてご覧いただけるように取り組んでおります(2017.2.16記)。

虹のかけはし [川と橋の文化誌]

080406nijinokakehashi01.jpg

 富士川の支流の笛吹川の支流の境川を
金川曽根地区広域農道が渡るところです。

080406nijinokakehashi02.jpg

 ここを渡る橋は、「矢越橋」です。


080406nijinokakehashi03.jpg

 この矢越橋の下流側に、ちょっと変わった歩行者専用の橋があります。
これまでここを通過するたびに、気になっていたのですが、
このほどようやく車を止めて、じっくり拝見することができました。
 この歩行者専用橋には、「虹のかけはし」という愛称があります。
橋には、鳥居のようなものがついていて、
その左右の上部に釣り鐘が取りついています。

080406nijinokakehashi04.jpg

 かたわらに「虹のかけはし」の説明板がありました。
愛称を考え、題字を書いた、近くの小学校の児童のことや、
鐘を連続してならしたとき聞こえる曲目、
歩道橋が整備された経過などが書かれています。
 鐘による曲目は、「ふるさと」と「ドラえもん」なんだそうですが、
実際に橋を渡りながら鐘を鳴らしたところ、
メロディをつかみ取るまではいきませんでした。
きっと子どもたちがいっせいにそれぞれのベルにとりついて
順に連続して鳴らすと曲がわかるのでしょうけどね。

080406nijinokakehashi05.jpg

 お終いに、この橋の鋼鉄製桁に取り付けてあったプレートをご覧ください。
やはり正式には「矢越橋」なんですね。
その下には1999年3月の文字が見られ、
その下の設置者「山梨県」のさらに下の行には、
「道示(1998)群衆荷重」と、1998年版道路示方書の「群衆荷重」という
規格でつくられていることがわかります。 

みょうじょうじ [寺院めぐり]

080406myojoji00.jpg

 韮崎市円野町上円井にある妙浄寺さんは、
徳島堰の取水点を見下ろすところにあります。
先日、徳島堰のサクラを見に行ったのにあわせお訪ねしました。

080406myojoji01.jpg

 徳島堰のあるところからは、ゆっくり歩いて5分程度。
寺は段丘の上にあるので、長い石段を上がります。 

080406myojoji03tokushimaouhi01.jpg

 石段の上がりきったところに、これまた大きなサクラの木がありました。
そのサクラの木の下に、徳島堰を開いた徳島兵左衛門の顕彰碑が建っています。

080406myojoji05tokushimaoukuyohi02.jpg

 また本堂脇には、供養碑があり、題額は県知事の天野久さんで
「徳島翁」の文字が大きく書かれています。

080406myojoji05tokushimaoukuyohi03.jpg

 こちらも徳島翁の供養碑で、没後270年にあたる昭和28年に
建てられたものです。

 こうしてみると、徳島堰を見下ろす浄妙寺さんは、
徳島翁の遺徳を顕彰する心にあふれた寺なんだと思えました。

こかげざくら [公園・史跡]

080408kokagezakura01.jpg
 西の「わに桜」に対抗するものをあげるとすると、
一つにこの「甲州蚕影桜」が考えられます。
 今日は、お昼過ぎまで低気圧の通過で強い雨がありました。
午後3時頃から、雲の切れ目から日が差し、ところによって晴れました。
ので、ときどき足を伸ばす笛吹市の八代ふるさと公園に
蚕影桜に会いに行きました。

080408kokagezakura02.jpg

 この前の日曜にもここを訪れた(というよりは通過した)のですが、
こちらも、わに桜に負けず、大変な込みようでした。
 でも、今日は雨上がりの平日ということもあって、人影はまばら。
古墳と桜と盆地の展望を楽しむほどほどの人の姿が見られました。

080408kokagezakura03hi.jpg

 さて、「甲州蚕影桜」という名が与えられているこの桜ですが、
2本のソメイヨシノの古木です。
“蚕影(こかげ)”というのは、養蚕農家の守護神で、
桜の根元に「蚕影山(こかげさん)」と書かれた碑が建てられ、
蚕さんの神さんとして祀られていたことに拠っています。
昔は、このあたりでも養蚕が盛んだったのですね。
 それにしても、見事な桜です。
真っ盛りを過ぎ、ヒラヒラと絶え間なく花びらが散り、
地面は花びらで埋め尽くされていました。

080408okachoshizukakofun01.jpg

 この八代ふるさと公園の呼び物は、実は桜ではなく、
こちらの岡銚子塚古墳です。
 怪しい空模様の中で、ここだけ陽がさし、
浮かび上がって見えます。
また冬の間、枯れて見えた芝も、徐々に緑をとりもどし、
色合い的にも、とてもきれいに見えました。

徳島堰とサクラ [地域の小さな歴史]

080406tokushimasegi01.jpg

 昨日の記事で、あの有名なわに塚のサクラを日没近くで見学となったのには
訳がありました。
それは、先に徳島堰にそって見られるサクラを
時間をかけて堪能してしまったからです。

 国道20号の韮崎市内を長野方面に向かっていくと
穴山橋という橋で釜無川を渡ります。
そこは韮崎市円野町上円井という、徳島堰の起点がある場所となります。
 穴山橋を渡りきって少し行くと旧甲州街道がクロスします。
右折して上円井地区を旧甲州街道に沿っていくと、徳島堰が横切る地点が現れます。
はじめの写真は、その場所にある水門で、この近くに車を止め、
そこからずっと徳島堰に沿って、サクラ見物です。

080406tokushimasegi02.jpg

 徳島堰は江戸時代に開削された灌漑用の用水路で
甲州では水路のことを“せぎ”といい、
徳島堰と表記して“とくしませぎ”と読ませます。
そうした歴史的な大規模用水路に、サクラの花がしなだれかかるように
満開を迎えていました。

080406tokushimasegi03.jpg

 振り返ると、流れ下っていく下円井方面となります。
南アルプスの前衛の山の山裾を、この徳島堰は下っていくのです。
その終点は、現在の南アルプス市曲輪田新田、
総延長は17kmといわれています。

080406tokushimasegi04.jpg

 釜無川からの取水点が見られたらと、初めての訪問で先もわからずどんどんいくと、
釜無川にかなり近づいたところで、柵が設けてあり、
それ以上進むことはかないませんでした。

080406tokushimasegi05.jpg

 フェンスで囲まれた徳島堰取水地の管理ヤードの、
かなり先の方に大きな石に「徳衆潤」と大書された記念碑が見えました。
望遠撮影で確認したところ、「土地改良事業竣工記念」のタイトルと
「徳衆潤」の文字の書き手が「衆議院議員 金丸信」であることが読み取れました。
取水点の様子をつぶさに見ることはできませんでしたが、
きっと土地改良事業として、この徳島堰が改修されたと云うことなのでしょう。
「徳は衆を潤す・・・」
なかなかいい言葉ですね。

080406tokushimasegi06kaikoma.jpg

 取水点は見られませんでしたが、見事なサクラに満足を覚えながら引き返す途中、
あらためて周囲に目を配ると、うっすらとしていましたが甲斐駒ヶ岳や・・・

080406tokushimasegi07houou.jpg

 鳳凰の地蔵岳。

080406tokushimasegi08fuji.jpg

 それから少し脇にそれてみると、七里岩の向こうに
富士山と・・・歴史ある用水と美しい景観が堪能できたのでありました。