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徳島堰とサクラ [地域の小さな歴史]

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 昨日の記事で、あの有名なわに塚のサクラを日没近くで見学となったのには
訳がありました。
それは、先に徳島堰にそって見られるサクラを
時間をかけて堪能してしまったからです。

 国道20号の韮崎市内を長野方面に向かっていくと
穴山橋という橋で釜無川を渡ります。
そこは韮崎市円野町上円井という、徳島堰の起点がある場所となります。
 穴山橋を渡りきって少し行くと旧甲州街道がクロスします。
右折して上円井地区を旧甲州街道に沿っていくと、徳島堰が横切る地点が現れます。
はじめの写真は、その場所にある水門で、この近くに車を止め、
そこからずっと徳島堰に沿って、サクラ見物です。

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 徳島堰は江戸時代に開削された灌漑用の用水路で
甲州では水路のことを“せぎ”といい、
徳島堰と表記して“とくしませぎ”と読ませます。
そうした歴史的な大規模用水路に、サクラの花がしなだれかかるように
満開を迎えていました。

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 振り返ると、流れ下っていく下円井方面となります。
南アルプスの前衛の山の山裾を、この徳島堰は下っていくのです。
その終点は、現在の南アルプス市曲輪田新田、
総延長は17kmといわれています。

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 釜無川からの取水点が見られたらと、初めての訪問で先もわからずどんどんいくと、
釜無川にかなり近づいたところで、柵が設けてあり、
それ以上進むことはかないませんでした。

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 フェンスで囲まれた徳島堰取水地の管理ヤードの、
かなり先の方に大きな石に「徳衆潤」と大書された記念碑が見えました。
望遠撮影で確認したところ、「土地改良事業竣工記念」のタイトルと
「徳衆潤」の文字の書き手が「衆議院議員 金丸信」であることが読み取れました。
取水点の様子をつぶさに見ることはできませんでしたが、
きっと土地改良事業として、この徳島堰が改修されたと云うことなのでしょう。
「徳は衆を潤す・・・」
なかなかいい言葉ですね。

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 取水点は見られませんでしたが、見事なサクラに満足を覚えながら引き返す途中、
あらためて周囲に目を配ると、うっすらとしていましたが甲斐駒ヶ岳や・・・

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 鳳凰の地蔵岳。

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 それから少し脇にそれてみると、七里岩の向こうに
富士山と・・・歴史ある用水と美しい景観が堪能できたのでありました。