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市史跡・王塚古墳 [公園・史跡]

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 中央市高部の宇山平と呼ばれる丘陵上に、
市指定史跡の王塚古墳があります。
 前回のトップの写真は、3点の写真を合成したもので、
南側から見た古墳の全景をご紹介していますが、
こちらの写真は、ワンショットで、古墳の墳丘のようすをとらえたものです。
 写真の右寄りに後円部がこんもり盛り上がり、左手(西側)へ
前方部が低く伸びる、全長約61mの前方後円墳なのです。

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 こちらは後円部を東側から見たものですが、
後円部にとりつく白く見えるコンクリート舗装をたどると
墳丘の上に上がる遊歩道があります。
ここから古墳の上にあがりますと・・・

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 後円部の上には、ほぼ中心に二つに石碑が建てられています。
向かって左(西)の日は、旧豊富村教育委員会が設置した指定文化財の標柱です。
重要なのは、右手(東側)の石碑で、全面には、「王塚古墳 山梨縣」
と書かれています。

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 こちらの碑の裏面には、縦書きで次のように書かれています。

  本墳ハ前方後圓式ニシテ後
  圓部ノ周囲ニ埴輪圓筒ヲ樹
  立シ石室ハ家形式石槨ニシ
  テ内部ヨリ短甲挂甲頸鎧冑
  直刀槍鏃鉾等ヲ発掘セリ

 この銘文の左脇に、「昭和三年九月建立」とあります。
つまりこの古墳の内部主体は、昭和の初めに、掘り出されたのであり、
その時には、短甲(たんこう)や挂甲(圭甲)、頸鎧(あかべよろい)や
冑(かぶと)など、埋葬された方が身に付けていたであろう鉄製の防具、
それに直刀・槍・鏃(やじり)・鉾(ほこ)などの武器が
発見されたというのです。

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 さて、こちらは4月16日の記事で紹介した東京国立博物館の展示品の1つで、
あわせてそのキャプション(題せん)を今回アップしましたが、
展示されていた鉄製のノミの出土地は、この王塚古墳なのです。
石碑にあるように、王塚古墳からたくさんの武具・武器類が出土したことは
知っていましたが、工具が出土していたことが驚きでありました。

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 こちらは同じく展示されていた眉庇付冑(まびさしつき-かぶと)です。
王塚古墳出土品の代表選手といえます。

 このところ、急に王塚古墳にいってみようと思ったのは、
この4月15日に東京国立博物館で、その出土品の一部に出会ったからでした。
なお、博物館の展示題せんの出土地が、大塚古墳となっていますが、
以前は、王塚古墳のほかに大塚古墳の表記もあったようだということも
関係文献に目を通していて理解することができました。