SSブログ

初夏でも、“ねんが” [送電線と鉄塔&発電所・変電所]

090506koushinkansen290a.jpg

 前々回の記事「代かきと送電線」の中でもふれた、
甲信幹線の290号鉄塔です。

090506koushinkansen290b.jpg

 とんがり帽子のような鉄塔の頭の部分ですが、
「290」のヘリ巡視用プレートが付いています。

090506koushinkansen290b.jpg

 こちらが、東側直下から見上げた甲信幹線290号鉄塔の全身像です。

090506koushinkansen290d.jpg

 さて、このブログをご覧の皆さまにおかれましては、
送電線関係のことがとくにお好み・・・ということでなく、
いろいろなご関心をお持ちで、多くのご関心の1つとして、
送電線と送電線鉄塔もおつきあいくださっておられるかと・・・
 親切丁寧をモットーとするエート・マンとして、
ここで、甲信幹線290号鉄塔のような、「撚架鉄塔」と呼ばれるものについて、
若干のご説明をば、申し上げます。
 特別に作成したこの写真をご覧のとおり、鉄塔の左右で、
三相交流の各線の入れ替えをする機能を持った鉄塔は、
「撚架鉄塔」とか「捻架鉄塔」とか呼ばれております。
読み方は、ふつう「ねんがてっとう」とされているようです。
 で、なぜこのような入れ替えが必要なのか。
それはですねぇ、とても難しいので、わかりやすくいえば、
一番上の送電線は、「えへん、おいら一番上やでぇー」
これに対して「くそ、おいら何でいつも下やねん」
真ん中、「何を、そんなことでもめてんねん。仲良うせなみっともないでぇ。
ほな、適当なとこで、入れ換えっこせぇへんか」
そんなんで、入れ替えてるのです。
 きちんとしたことでは、送電線と大地との離隔の影響を平すだとか、
3つの位相の調整のためとか、専門的なことがあるようです。
なお、誤解のないように、もう1つ付け加えると、撚架の説明のためにつけた
矢印は便宜的なもので、必ずしも電気が
矢印の通りに流れているということではありません。

090506koushinkansen290e.jpg

 最後に、この290号鉄塔ですね、平成12年12月に立て替えをされているようです。
はじめからこの鉄塔が撚架だったかどうかは、わかりません。
推測ですが、はじめは30m前後の高さの初期型鉄塔で、
小淵沢インター周辺の最近の事情にあわせ、高さ50mで立て替えられてもので、
1つ西側の289号鉄塔は、高さ調整のためにかさ上げ工事が行われた、
そんな風に考えられます。
 なお、甲信幹線の前後の鉄塔は、当初のものが多く、
前々回の288号鉄塔には、大正12年3月の表示がなされています。