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入幕の記念(?)碑 [地域の小さな歴史]

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 前回、藤田八幡神社の境内での忠魂碑を取り上げましたが、
その隣に、ずっと小さな石碑が建っていました。
目をやると、「清正公」という文字があり、とても惹かれるものがありました。
でも、すべての文字情報を読み切ることなく、
写真だけ撮って終わりにしていました。
そこで、あらためて写真から読み解いてみると、
けっこう興味深いものだと思われました。
 文字情報は、大まかに上下2段に分かれ、上は左から
「清正公大神 / 天満在天神 / 摩利支天神」と3柱の神様のお名前を並べ、
下には、「明治三十五年 / 五月入幕 / 甲保吉立之」とありました。
 入幕・・・ですか。
いまの社会なら、入幕というと、お相撲さんが幕の内に入ること、
を指すと理解するのが普通だと思いますが、
明治35年(1902)というと、ちょっと違うのではと思われます。
日清戦争(1894~1895)を経て、武力を背景に、世界的に打って出ようとする
いまのどこかの国みたいな日本という国は、大英帝国と同盟を結んだという年です。
そして、数年後には、日露戦争(1904~1905)に突入しようとしていました。
そんな時分の「入幕」は、軍隊に入ることでしょう。
密かに心を寄せる神々に、武運長久を祈願された・・・、
そんな石碑ではなかったのでしょうか。

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 石碑の全体像ですが、撮影に失敗し、散々にいじくって
何とかこんな形でご覧いただくのです。