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〔緊急速報〕JR東海のRFD 見ました [鉄道-とくに身延線点描]

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 記事タイトルの〔緊急速報〕とは、予定していた記事を差し替えて
忘れないうちに(これでも記事書くときいろいろ調べているので、それを!)
記事を書きました・・・程度の意味でございます。
 そしてタイトルの、RFDとは何か。
それは、この記事のメインテーマであります。なので、追々にご理解ください。

 まず、ところは山梨県は、市川三郷町のなかにある甲斐上野駅。
JR東海管内のローカル線である身延線、その小さな無人駅でありますが、
駅の西側を町道が横切っていまして、そこを上野踏切といいます。
 この踏切から、甲斐上野駅を見ると、ちょうど14時57分発の甲府行きが出るところ。
身延駅を14時09分に始発として、甲府駅に15時22分終着の普通列車3741Gであります。
で、今日のテーマとして、その駅を出ようとしている普通列車の左隣に止まっている・・・
目立つ黄色の、“それ”です。

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 無人駅なことをいいことに、駅の中に進入しました。
今日は、8月下旬の気温となり、遠くの空に入道雲が湧いていました。
それはともかく・・・こちらは、
今回の話題の主人公、RFDの正面感です。否、赤い丸があるから後ろの正面です。
赤い丸の中には、ごていねいに「最後部」の文字があります。

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 少し側面が見えてきました。すると大きく「RFD」の文字が見えてきました。
もちろん、現場でこれを見たときから、どんな意味があるのか
を承知していたわけではありません。

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 「RFD」の文字は、車体側面にあるシャッターのような部分に書かれていました。
さて、その意味でありますが、Rail Flaw Detection System の略称で、
「レール探傷車」と呼ばれている、というようなことが、ネット検索で知ることが出来ました。

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 一気に先頭側に回り込みました。
黄色と青の組み合わせが、そこはかとなく、保線関係の大切な仕事をする
車両なんだと教えてくれているようでした。

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 単線の身延線の駅なので、ホームが1つ。
線路は、駅の前後のポイントから、上り下りそれぞれに別れ、ホームを挟みます。
その下り線の北側に1本の待機線があって、そこに静かに休んでいたのでありました。
 そう、ここには、以前、MTT(マルチプルタイタンパー、略称マルタイ)が
止まっていたことがあり、2007年12月1日2007年12月14日の
2回にわたり、その観察記をこのブログにのせておりました。よろしければご参照を。

 さて、そうした状況の中で、本日、あらためて認識したことがあります。
現場で、見ているときに、「保線関係の車両が待機線で、
パンタグラフを折りたたみ、静かに休んでいました」というように書き出してみよう、
みたいに考えていたのですが、ふと見上げると、
ここの待機線には、もとより電力架線が付けられていません。
じゃ、パンタグラフは・・・、というかRFDの駆動力はどうなの?

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 車両を細かく拝見すると「FUEL DRAIN」と書かれた部分が・・・。
燃料ドレーンか、えっ、燃料・・・すると気動車なんだ。
気動車とは、ジーゼルエンジンを積載した車両なんでありまして、
電線がない線路も走れるのです。

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 車両の屋根の一部です。
やはり、エクゾースト・パイプ(exhaust pipe:排気管)がありましたよ。
 でも、何で電化された線路のレールを点検する車両が、気動車なんでしょうか?
甲斐上野駅では、待機線に架線がないということは、保線関係車両は、すべて気動車ということ?
新たな疑問が、次々に湧き出します。

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 朱色のJRのロゴと、その下にJR東海の文字がある部分の下に、
線路の、というか、レールの損傷などを診断する機器が搭載されているようです。

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 小さな車輪のようなものがたくさん付いていました。
それらが、重要な役割をするのでしょうね、きっと・・・。

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 さて、最後部とされていた側の、乗り込み口の付近の写真ですが、
乗り込み口の、向かって左側、すでにFUEL DRAINがあるとした場所のすぐ上に、
GEMCOの文字の確認できます。
で、これには、いったいどんな意味があるのでしょうか。
実は、これにはすぐに答えが見つかりました。ネット上でRFDを検索したときに
関連の情報として目にとまったのですが、これはRFDを製造した企業のロゴなのです。
それは、オーストラリアのパース郊外Forrestfieldにある、Gemco Railという会社でありました。
この会社のホームページには、RFDに関する直接的な説明はありませんでしたが、
Gemco Railとも取引があるCoote Industrial社(たぶん工業プロダクツを扱う商社?!)
のホームページのニュースページで、
 ・Gemco Rail社が中国向けにバラスト運搬列車を供給したとか、
 ・日本の鉄道会社に供給するRFD向けの
   超音波ビームによる検査技術を供給するCATER社の情報
などを見ると、CATER社の検査テクノロジーとGemco Rail社の車輌製造技術の融合したものが
今回見たレール探傷車:RFDではないかと思えるのでありました。

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 こちらは、CATER社のホームページのGeneral Galleryのページの関係部分です。
CATER社の技術が日本でこんなふうに使われています・・・
といった紹介をしていますが、まさに今日見たそれであります。
JR東海では、在来線の全路線をこのRFD1台でカバーしているそうなのです。
で、CATER社のホームページのRFDにも朱色のJR東海のロゴが確認できます。
なので、この写真に写っているRFDは、今日見たRFDだったのです。

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 で、結論、本日見たレール探傷車は、オーストラリアの技術で製造され、
はるばる日本に運ばれたものでありました。
でもなぜ、狭い国土の割に、鉄道がとてもよく発達した日本国内にそうした技術が無く、
したがって輸入物で対応となるのでしょうか。

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 最後に、もう一つ、これはどうでもいい疑問点であります。
今日見たレール探傷車の側面に何か大きなシールをはがしたような痕跡が見られました。

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 これについて、CATER社のホームページのRFDの写真を見比べて答えがわかりました。
以前は、パンダの絵が描かれた丸いシールのようなものが張られていた、
それがその後何らかの理由ではがされた、そんなところのようです。

〔この記事を書くのに参考としたページ一覧〕
1)わいさんの『わいのブログ』2009年8月27日の記事
  http://traintrain.jp/blog/detail/mid/9893/date/2009-08-27
2)『AGUI NET(鉄道総合サイト)』の「国鉄アルバム910」というページ
  http://www.agui.net/imglog/jnr/jnrimg-910.html
3)marujiさんの『一日一撮 エブリデイワンテイク』の「兄弟?従兄弟? RFD」という記事。
  http://blogs.yahoo.co.jp/maruji_512/59874328.html
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