火の見ちゃん38 [火の見櫓]
JRの送電線を追いかけているとき、遠くに火の見櫓を見つけました。
遠くから見ても(見るからこそ、かな)、かなり背が高い部類の火の見櫓だとわかりました。
そこで、足下までいって観察しました。
正面の一番下の横材の中央に、プレートが付けられていて、
寄贈者のお名前が刻まれていました。
この形は、前回の「火の見ちゃん37」で紹介した、
南アルプス市藤田の火の見櫓の場合によく似ています。
あちらの場合は、寄贈者名とともに年月日がありましたが、こちらではそれは見られません。
それにしても高い火の見櫓だなぁ。
火の見櫓の高さは、その場所の地形などによって必要な高さが
求められているのではないかというように思われます。
ここは山間の集落、ある程度高さがないと見渡せない・・・ということかな。
キョロキョロと観察するなかで、構造材に製造者のプレートが付いているのに気付きました。
これは、これまでに何度も目にしているもの。
建造年月の部分は・・・。
何度も塗装が重ねられたせいか、鏨で刻んでいるはずの年月は、ほとんど読めません。
でも、この製造者の所在地「甲府市イセ(伊勢)町」は、昭和41(1966)年までの町名、
いまは甲府市伊勢1丁目になっているところにその会社はつたわっています。
なので、およそ1960年代に建てられた火の見櫓だと見当を付けたいと思います。
近年、地区の憩いの家と一緒になった構造で整備された、甲州市消防団の
「大和分団第八部」と表示のある消防団詰め所のお隣に建っていた火の見櫓ですので、
今回の火の見ちゃん38号は、この大和分団第8部の皆さんが
半世紀近く、ずっと管理されている火の見櫓なのであります、といえるものでした。