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ペンキ塗り立て・・・ [送電線と鉄塔&発電所・変電所]

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 そう、中部電力の赤白塗装の送電線鉄塔、1つだけ情報がありました。
それは、塗装に関する情報です。
2009年11月、つまり昨年の11月に、いま見る塗装がなったのであります。
で、今回の記事タイトルが「ペンキ塗り立て・・・」
もう10ヶ月近くも経つのに、何故にペンキ塗り立てと申すか? といわれそうですね。
でも、でもですよ。こうした送電線鉄塔の塗装の世界をじっくり知ると、
ペンキ塗り立て・・・が、スッと理解されます。

 塗料名「タワーマンⅡセイフティ」、これは関西ペイント(株)が開発した
1液溶剤可溶エポキシ樹脂系の送電線鉄塔塗り替え用の、飛散防止型塗料の商品名です。
上塗り色のコード名の10R5/14は、赤の色。そしてN9.5は白の色を意味しています。
そうした塗装のあり方をしていたのです。

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 実際の腕金が取り付く辺りの塗装状況を見てください。
夏の光を受けてピカピカしています。

 関西ペイント(株)が発行している『塗料の研究』のNo.135(2000年10月)の
p.66~74までの「タワーマン」開発の経緯等を示した論文によると、
ふつう送電線鉄塔の塗り替えは、10年から15年の間隔で行われるそうで、そうしたスパンで見て
10ヶ月経過は、やはり塗り立てといえるのじゃないかと考えられます。
 また送電線鉄塔の塗り替えの経費もけっこうかかり、年間に国内電力10社の
塗り替え経費の合計額は、約90億円(約28万基として、2000年当時)も見込まれるのだそうです。
それでも、航空法関連の規定などにより、航空機の安全を図るとともに、防蝕などの課題もあって、
塗装作業は必要なのですが、最近は、飛散防止シートなどで覆っても、とかく周囲に塗料がとび、
それによる損害の補償問題が起きたりするので、飛散しにくくて塗りやすく
美しく耐久性もあるみたいな要求に応える形で「タワーマン」が生まれてきたのだ・・・
その論文からは、そんな風なことが理解されました。
なおその論文は、関西ペイントの公式HP(http://www.kansai.co.jp/)で
PDFにより公開されています。