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天保のばとうさん [いのり・信仰]

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 甲府市桜井町の北部の山道で見た馬頭観音さまです。

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 舟形後背に浮き彫りにされた石造の馬頭さんの右に「天保十一年」
左側に「子三月吉日」とあります。
端正なお顔をされた観音さまの頭の上に馬の顔が表されていて、だから馬頭さんです。

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 少し斜めから拝見しました。表情がちょっぴり和んだ風に見受けられました。
仏さまのお姿は、見る角度、拝む心持ちによって、表情が違っていて、なんともおもしろいものです。

 天保11年は、西暦では1840年。
天保というと思い出されることの1つに「天保の大飢饉」があります。
江戸の三大飢饉の1つともいわれるほどのもので、天保4年から同10年くらいまで続いたようです。
天保7年、この甲斐の国では、「天保騒動」と呼ばれる一国規模の百姓一揆が起きてもいます。
それらがようやく静まり、世の中、少しだけ落ち着き始めた頃かと。
ペリーの浦賀来航の嘉永6年(1853)まで13年、
時が明治となる1868年までは28年を要すころでありました。