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じっくり拝見、ほんしょうじさん(その4) [寺院めぐり]

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 もう少し本照寺さんのご本堂をじっくりと拝見することといたします。
まずは左側の方向から、本堂の向拝をのぞき込むように見たところです。
茅葺の屋根は、いまは圧延鉄板で覆われています。
二重の繁垂木が採用されていて、深い軒の出となっています。
向拝の内側には、彫刻が豊かな状況が見られます。
それから廻り縁の下を見ると凝灰岩切石で基壇廻りが化粧をされています。
この基壇の化粧はかなり最近のことかと思われました。

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 入母屋造りの妻の部分に懸魚を見ました。
かなり風食を受けていて、そこに経りにし長い歳月を感じさせています。

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 本堂の正面扉の左右にある柱に、赤い「消化器」の表示プレートが取り付けてあるのですが、
他のお堂の場合も含め、みな逆さまに付けられていました。
何か意味があるのでしょうか、よくわかりません。これまた不思議なことでありました。

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 本堂をぐるりの時計回りに廻りながら、観察を進めたのですが、
正面に向かって左手の隅の軒裏を見上げると、野地板が1枚はずれていて、
その内側の状況が観察できました。

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 茅葺の屋根裏が垣間見られたのでした。

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 目先をグルッと変えて、今度は縁の下。
お寺の本堂なんかの裏手や縁の下には、一般的に見て、いろいろなものが
押し込められるように存在しています。
ここでも例外でなく、梯子だとか、古い机だとか、いろいろと見られました。
でも、注目すべきは、そうしたものではありません。
正面側で見られた凝灰岩切石による基壇化粧は、本堂の側面にまわると、すぐに切れてしまいます。
見えるところだけを入念に、それが化粧の本質といえるかと思うほどです。

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 化粧がされていないところでは、版築なのか、それとも地山の削りだしによるのか
にわかには決めがたいものの、初期の基壇のようすと思われる状況が観察されました。

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 お終いは本堂の背面です。
古い注連のストックが目を惹きましたが、さらに強烈なのは、軒の支え、
いわゆる「つっかい棒」です。
歴史的な建造物によくみられる状況ですが、裏側は日当たりや通気性などの点で、
その他の部分より痛みやすいようです。
深い軒を支える構造が痛んで、つっかい棒が必要とされたのでした。

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 本堂の向拝の手前、左右に石灯籠が献納されていますが、
右手の石灯籠のそのまた右手に、小さな石塔が建っていました。
その正面に四行、記された文字に圧倒され、碑の裏手の建立年等の情報の確認はしていません。

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 それはお三方の法名と没年月日でありました。
武田勝頼とその夫人・北条氏、そして子どものものでありました。
でもいったい何故ここに?????
考えてもわかりません。
何かしらのご縁が有ってのことではあるのでしょうけれど・・・。