SSブログ

竹森玉諸神社境内の蚕影山 [いのり・信仰]

120610tamamorojinja09.jpg

 前回の記事とまったく同じ写真ではじまりました。
甲州市塩山竹森の玉諸神社の随神門付近を見たものですが、
このうち右手の隅に見える忠魂碑が前回の記事の柱でしたね。
今回は、左手の蚕影山です。

120610tamamorojinja14kokagesan.jpg

 神社の境内に、さまざまな神様が摂社や末社といった形で
いっしょに祀られることはよくあることで、蚕影山(こかげさん)も例外ではありません。
 いつごろのものか、しっかりチェックしてきませんでした。
(忠魂碑に心が傾きすぎていたためですが)
おそらくこの地域、というか、山梨県下でおよそ広く共通することですが、
養蚕が盛んになり、蚕の守り神としての「蚕影山」をていねいにお祀りする時期は、
明治の後半から大正、昭和の初期くらいまででしょうか、これもその1つと考えられます。

 今回、注目したいのは、石碑の作り方です。
碑面の、向かって右側の上部に矢穴が少なくとも3つみとめられます。
矢穴の形状から考えられる石造りの時期は、蚕影山の隆盛時期とほぼ重なるものといえそう・・・。
祈りの必要性とそれを満たす石造りの技術が重なり合ってもたらされた造形と考えられます。