増坪の稲荷社 [神社まいり]
甲府盆地の中ほどを流れる濁川を渡る送電線「御坂線」を
濁川右岸堤防の上から見たところです。
目の前の送電線鉄塔は、御坂線の74号鉄塔です。
さて、この御坂線の直下で、右岸堤防の西側の脇に
小さな神社があります。
こちらがその小さな神社です。
神社といっても、拝殿があって本殿があってというものではありません。
赤系に塗装された金属製の鳥居の額ですが、
「正一位 大小稲荷大明神」とありました。
つまりここはお稲荷さんなのでした。
お稲荷さんといえば、お決まりの
稲荷明神のお使いの狐の置物がたくさん置かれています。
陶製のものが主ですが、銅製のものもかなりあり、
また大きな石製のものも目をひきました。
狐の置物に混じって、狐の面も見られました。
いくつかある小さな祠の中で、一際大きく
古風でたいへんていねいな造りの祠に目がとまりました。
じっくり観察すると、前面の扉の表現の上に額が浮き彫りになっていて・・・
その額の中には、うっすらと赤い色が差してあり、
そこに「七面」の文字が確認できました。
この祠は、もともとは「七面さん」の祠だったようです。
七面山信仰は、日蓮宗の守護神とされる七面天女(七面大明神とも)によせる
民間の信仰の一つで、戦国時代頃から見られ、18世紀頃に隆盛したものです。
いまではそうしたことは忘れ去られてしまったのでしょうか。
本来、軒を支える束柱が立っていた基礎の部分に、
狐の置物が一対で置かれていました。
少し前に“引っ越しする神社”ということで、
昔からずっとあると思いがちな神社も場所を変えることがあるのだ
ということを取り上げていますが、
場所ではなく、神さまそのものや、名前が変わってしまうこともある・・・
という事例の一つになるのかな、と考えました。
2007-12-10 20:16
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