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古い時代をしのばせる電信柱 [鉄道-とくに身延線点描]

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 JR身延線の芦川駅の傍らに、それはひっそり建っていました。歴史の生き証人です。
今年、富士-甲府間全通90周年を迎える、歴史ある身延線ですが、かつてそいつは重要
な役割を果たしていたのです。

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 「そいつ」とか「生き証人」とかいっているのは、これ。木製の電信柱です。ちょっ
と似ているけど電柱ではありません。通常の三相交流を伝える電線を支持する電柱には
3つの碍子が付けばいいだけなんですが、4段の腕木にいくつもの碍子が付いていて、
いくつもの電信回線が取り付いていたことを物語っています。
 ちなみに、この電信柱の形状が、あるものに似ているのですが、思い当たるもの、あ
りますか。この形、いまではあまり見かけなくなってはいますが、ハエたたきに似てい
るとされてきました。なので、こうした電信柱には「ハエたたき」のニックネームがあっ
たとも伝えられています。

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 芦川駅のホームを歩きながら、反対側から見ることにしました。電信柱の上の方に焦
点を当ててクローズアップしたものです。碍子の付き方がよく分かります。木製の電信
柱に雨水が染み込んで腐ることがないように、上部にキャップが被せられているのも確
認できます。
 碍子の上端部に留められて、支持されていた電信線はもう、とうに撤去されて、本来
の役割は終わっています。以前には、この前後に仲間がずっと、線路とほぼ並行するよ
うに一定間隔で並び、鉄道の運行に関する情報を伝えていたのです。それが今は、まっ
たくの一人ぼっち。でも、よく残っていてくれたものです。

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 鉄道と関係するものって、なぜ、そう言えるんだっ、といぶかる方もおられるかもし
れません。でも、よく観察すると、木柱のやや上の方に、こうしたナンバープレートが
打たれていて、全体の19番目の電信柱だということを表すとともに、鉄道関連を意味す
るマークが押されているのが、何よりの証拠です。

 身延線の長い歴史を伝えるもの、いろいろありますね。まだまだ出てくると思います
よ。次の話題をお楽しみに・・・。

《追記180501》この記事には、ほとんど同じ内容の過去記事「鉄道通信線のなごり」
 2010年3月17日)と関連の過去記事「電信柱、また見つけたよ~」(2010年7月23日)
 があります。ご参照ください。
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