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甲斐住吉駅の古レールの銘文詳細 [鉄道-とくに身延線点描]

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 前回にも登場させた甲斐住吉駅の待合室の全景です。この施設の構造材として古いレール
の見られること、すなわち列車の通過を支えた役割が、レール上面の摩耗などにより廃棄の
運命をたどったものが、第二の人生(「レール生」というべきか)を踏み出した様をお伝え
したものです。
 今回は、その続編というか、詳細バージョンとなるものです。

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 まずは、こちらの古レール。待合室の上の方に梁として使われている部材の1つですが、
前回にもふれたように陽刻文字列がありまして、あらたに画像補正により正射投影化したも
のに、その判読情報を並べ併せた写真です。

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 もう1つ、こちらは柱材として使われている部材で、これも上のものと同様に処理した画
像です。

 ここからまとめに入りますが、どちらにも1887年の紀年銘が確認されます。こうした
古いレールと甲斐住吉駅の関係を考えてみます。
 この甲斐住吉駅があるJR身延線は、大正2(1914)年に創設された「富士身延鉄道」(富
士―身延間)を前身とし、大正13(1924)年から昭和3(1928)年までの2期工事のなか
で身延-甲府間が完成していることが知られています。ですから、この駅の待合室に使用さ
れている1887(明治20)年製のレールは、どこか別の先行する路線に使用され、新材と
の交換によって廃棄されたものが、ここに運ばれてきて使用されたものと理解されます。
 次に、このレールのもともとの生産地についてです。今回取り上げた画像は、2004年6月
の撮影で、そのときに任意に撮影した範囲の情報に拠っていますが、この文字列には前後が
あって、それによりイギリスのシェフィールドにあるCharles Cammell & Co.という会社の
製造によるものだったということがわかっています(ウェブページ『古レールのページ』による)。


《追記》前回および今回の記事の取材は2004年で、このブログのはじまる前のことでした。
   ゆえに、このブログの過去記事にこれにふれたものはなく、今回「身延線90周年」
   という企画に合わせて登場させたものです。

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