送電線鉄塔に付くもの（４）

　こちらは、西群馬幹線の220号鉄塔でございます。
ここでは、葛野川発電所（わが国最大の地下発電所）で発生した電力を、
50万ボルトの超高圧で送る葛野川線という送電線が、
メインの西群馬幹線に合流しているのです。



　平成10年12月に建造の、鋼管で構造された、高さ90mの鉄塔でありました。



　ここで、送電線鉄塔に取り付いている送電線は、1回線が4導体。
つまり50万ボルト3相交流の１つの線が、
4つの電線（導体）を一まとめにしたものとなっています。

　さて、送電線鉄塔に付くもの、今回は何でしょう？
この4導体の電線？
うーん、送電線鉄塔なんだから、送電線が付くのは当たり前。
もっと別な、すごいもの・・・ですよ。



　急な山地の斜面に立つ、とても大きな鉄塔を、下から観察すると
何かステージのようなものが付いていました。
何なのでしょうか。



　南側に回って見ました。
それでわかりましたよ。
２つのソーラーパネル。
鉄塔が大きいので、パネルはとても小さく見えますが、
きっと近くで見ると大きいんだろうな。
どうやらその後ろ側のステージには、バッテリが設置してあるようです。



　つまり、大きな送電線鉄塔に、小さなソーラー発電所が付いていたのです。
ここで作られた電力は、ケーブルが上に伸びているので、
たぶん、航空機に危険を知らせる対空標識を作動させるための
電力となっているものと思われます。

　だれですか、上にいっぱい電気が通っているのだから、
その電気を使えばいいのに・・・なんて、おっしゃってるのは。

　ガソリンを運ぶタンクローリーが、タンクローリー自体の燃料を
別に自前のタンクで供給しているのと同じですが、
50万ボルトの電力を対空標識に使おうとしたら、
この送電線鉄塔の上に、とても大きな変電所を作らなければならない
ってことが、一番の理由かな。　さて、この西群馬幹線220号鉄塔と葛野川線との接続ですが、
とても不思議な状況を目にしました。
葛野川線は、それ自体2回線なのですが、西群馬幹線との接続は、
そのうちの1回線だけ。
のこりの1回線は、行き止まりになっていました。
その理由は、何だろう・・・。
だいたいの想像は付きますけど・・・。
また、いろいろと調査して、そのうちにレポートしたいと思います。

コメント 4

　９０ｍでも赤白ではないのですねぇ･･･。
by さんらぁたん (2009-05-12 07:04) 

さんらぁたんさん、コメントありがとうございました。

詳しいことはわからないのですが、60m超が、すべて赤白になるとは、限らないみたいですね。
設置されている場所、あるいは状況、環境によって、
赤白になったり、そうではなく昼でも明滅ライトで対空標識としたり・・・があるようです。
この220号鉄塔は、後者のようではないかと思われます。
by エート・マン (2009-05-12 23:46) 

葛野川発電所で発電した電力が、西群馬幹線に合流しているとは知りませんでした…
勉強になります。(^^ゞ
by ryu (2009-05-13 21:51) 

ryuさん、コメントありがとうございました。
葛野川線と西群馬幹線の合流は知ってはいましたが、
現場を押さえたのは、今回が初めてでした。
やはり現場はいいですね。
いろいろなことがわかります。
by エート・マン (2009-05-15 23:19)