SSブログ

佐久間ダム逍遙・2 佐久間電力館の屋外展示 [送電線と鉄塔&発電所・変電所]

090909sakumadenryokukan07.jpg

 佐久間電力館の前庭に、こんなものがありましたよ。
何だと思いますか。
 まあ、こうした展示館の前には、よくあるものですが、
実際に、水力発電所で使われていた、水車でありました。
水力発電所は、ダムなどによって、大量の水に大きな落差を付け、
落下する水の勢いで、水車を回し、水の位置エネルギーを回転エネルギーに変え、
それで発電機を回して発電を行っているのですよね。
 ここに展示されているものは、いわば水力発電システムの
心臓部にあたるものの1つといえます。090909sakumadenryokukan08.jpg

 飛行機のジェットエンジンのタービンにも似ていますが、
水力発電の場合は、「水車ランナ」といわれています。
 これは、2つ並んでいた内の、手前(電力館寄り)の
大きい方のランナで、フランシス型という水車形式によっています。

090909sakumadenryokukan08b.jpg

 その説明プレートです。
これによりますと、ランナの直径は約3.2m、重さ32tもあるそうです。
1955年に東芝が作り、佐久間発電所に据え付けられたもので、
1993(平成5)年に引退するまで、約37年に及ぶ現役生活を送ったとのこと、
たいへんお疲れ様でした。
 毎日休みなく、水が流れると、水の分子がぶつかったり、
さらに水に混じった砂粒などがぶつかったりして、ランナの金属部材が摩耗し、
修理不能になるらしいのです。
そうしたことによって、現役を退き、水力発電の仕組みを人々に伝えるという仕事をしながら、
静かに余生を送っているのです。

090909sakumadenryokukan09a.jpg

 こちらは、もう1つのフランシス型水車ランナです。

090909sakumadenryokukan09.jpg

 そしてその説明板。
こちらは、直径2.2mと佐久間発電所に用いられて前者のランナより小振りです。
説明によると、昭和44年から58年までの14年間、近くの水窪発電所で使われていたものだそうです。

090909sakumadenryokukan10.jpg

 二つのランナを見ながら、佐久間電力館を振り返ってみました。
電力館の向こうに見える谷間に、佐久間ダムとそのダム湖が広がっているのです。

090909sakumadenryokukan11map.png

 えーと、先ほどの2つ目のランナのことで、「近くの水窪発電所」といいましたが、
どちらもJ-POWERの運用する水力発電所なので、つい“近くの”としました。
でも、よくよく調べてみると、同じ天竜川水系なのですが、
かなり離れていました。
当然(という言い方もないですけど)、今回は、現地までは行っておりません。
また「水窪」は、“みさくぼ”と読むようです。


《参考となるWEBサイトのご紹介》
 今回の記事の中で登場とした「フランシス型」については、
次のサイトに、わかりやすい説明があります。
  Hisaさんの「水力ドットコム」 > フランシス水車
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。