佐久間ダム逍遙・2 佐久間電力館の屋外展示 [送電線と鉄塔&発電所・変電所]
佐久間電力館の前庭に、こんなものがありましたよ。
何だと思いますか。
まあ、こうした展示館の前には、よくあるものですが、
実際に、水力発電所で使われていた、水車でありました。
水力発電所は、ダムなどによって、大量の水に大きな落差を付け、
落下する水の勢いで、水車を回し、水の位置エネルギーを回転エネルギーに変え、
それで発電機を回して発電を行っているのですよね。
ここに展示されているものは、いわば水力発電システムの
心臓部にあたるものの1つといえます。
飛行機のジェットエンジンのタービンにも似ていますが、
水力発電の場合は、「水車ランナ」といわれています。
これは、2つ並んでいた内の、手前(電力館寄り)の
大きい方のランナで、フランシス型という水車形式によっています。
その説明プレートです。
これによりますと、ランナの直径は約3.2m、重さ32tもあるそうです。
1955年に東芝が作り、佐久間発電所に据え付けられたもので、
1993(平成5)年に引退するまで、約37年に及ぶ現役生活を送ったとのこと、
たいへんお疲れ様でした。
毎日休みなく、水が流れると、水の分子がぶつかったり、
さらに水に混じった砂粒などがぶつかったりして、ランナの金属部材が摩耗し、
修理不能になるらしいのです。
そうしたことによって、現役を退き、水力発電の仕組みを人々に伝えるという仕事をしながら、
静かに余生を送っているのです。
こちらは、もう1つのフランシス型水車ランナです。
そしてその説明板。
こちらは、直径2.2mと佐久間発電所に用いられて前者のランナより小振りです。
説明によると、昭和44年から58年までの14年間、近くの水窪発電所で使われていたものだそうです。
二つのランナを見ながら、佐久間電力館を振り返ってみました。
電力館の向こうに見える谷間に、佐久間ダムとそのダム湖が広がっているのです。
えーと、先ほどの2つ目のランナのことで、「近くの水窪発電所」といいましたが、
どちらもJ-POWERの運用する水力発電所なので、つい“近くの”としました。
でも、よくよく調べてみると、同じ天竜川水系なのですが、
かなり離れていました。
当然(という言い方もないですけど)、今回は、現地までは行っておりません。
また「水窪」は、“みさくぼ”と読むようです。
《参考となるWEBサイトのご紹介》
今回の記事の中で登場とした「フランシス型」については、
次のサイトに、わかりやすい説明があります。
Hisaさんの「水力ドットコム」 > フランシス水車
2009-09-12 23:06
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