SSブログ

信玄のおサルさん [ふむふむ そうなんだぁ!]

160121tosho01.jpg

 時々登場の岩波書店の月刊PR誌『図書』、その2016年1月号です。
この号の中に、とてもおもしろいものを見ました。う~ん、正確にいえば、この号の中で
発生したおもしろさではなく、過去に何かの記事で見て、記憶の彼方に存在したものが
この号の中にあるページの1点の挿画でよみがえったものでありました。

160121tosho02.jpg

 こちらがそのページの、その画像です。赤い円の中のものです。
焦点をあてたページは、同号の18ぺージですが、この記事は「挿画を選ぶ楽しみ」
という、宇佐美文理・京都大学文学研究科教授(中国哲学)によるものでありました。
宇佐美さんが担当された漢詩の解説の御本の挿画選びを話題とするものでしたが、
3つの候補をあげたところ、どうなったかを紹介する場面でした。

160121tosho03.jpg

 赤い円でチェックした画像をもう少し大きく取り上げました。
この絵画は、東京国立博物館に所蔵される12世紀の南宋絵画の秀作で「猿図」と
題されたもので、作者は「伝毛松筆」とされていますが、確かではないようです。
 ともあれ、南宋の絵画でありますので、描かれたサルも中国のそれだと
長い間信じられていたのですが、ある時、博物館でこの絵をご覧になった昭和天皇が
「これはニホンザルだね」とご指摘になられた話題の作であります。
 さらに、この絵は、わが郷土がうんだ偉大なヒーロー、武田信玄入道が京都の門跡寺院・
曼殊院の覚如法親王に贈ったものだといういわくつきの作品だということも見逃せません。

 信玄入道はどのようにしてこの絵を入手したのか、についてはいまだ説明に接しては
おりませんが、このほど始まった今年の大河ドラマで、何度も「信玄入道」が
出てきたことから、急に古い記憶が呼び起こされたものでありました。今年の干支が
申(サル)でもあるし、ねっ。