たのかみまつりの跡 [田や畑でスケッチ]
市川三郷町下大鳥居の水田地帯で、田の神様をお祭りしたあとを見ました。
富士川大橋東詰の交差点が遠くに見える場所でありました。
お祭りの跡は、どの田にもあるというものではなく、
伝統を大切にしている農家の田んぼにだけ見られるもののようでした。
薪で暖とるは・・・ [田や畑でスケッチ]
薪のストーブで暖をとるなんて、ちょっとステキですよね。
おや、でもこの記事のカテゴリ、何で「田や畑でスケッチ」なんでしょうか。
実は、この写真の現場は、郊外の温室の傍らで見た光景。
燃料が高くなっているので、薪を燃やして加温し、コストを削減する・・・
そんなふうに思えて、ついスケッチしてしまったものでした。
雪に輝くモモ畑から [田や畑でスケッチ]
モモ畑に出てみました。
一面に雪が残り、まぶしかった・・・。
モモの畑の向こうに見える小屋みたいなのは、小屋ではなく屋内体育館です。
ここは甲府市上向山町、で、あれは旧中道町民体育館なのでした。
そこで地域イベントがあったのですが、ちょっと課題があって外に出てみたのです。
目の前のモモの枝、ずいぶんと膨らんできているなぁ。びっくり。
隣の野菜畑越しに、南アルプスを見ました。
白く輝くお山が印象的でした。あのお山は・・・で、あちらのお山は・・・だな。
あのお山、荒川東岳(悪沢岳)、3141mです。静岡県静岡市葵区です。
あちらのお山、赤石岳、3120mです。静岡県静岡市葵区と
長野県下伊那郡大鹿村にまたがります。
こうしゅうひゃくめ [田や畑でスケッチ]
このところ、岩波書店の月刊PR雑誌『図書』に、俳人の坪内稔典さんの
「柿への旅」とシリーズタイトルが付された、柿と俳句の結びつきを
テーマとした短文が連載されています。
その最新号(2010年11月・第741号)にある20回目の記事は、
「ひりひりごわごわ」(p.44~46)と題されたものですが、それは次のように始まっています。
もう二〇年も前のことだが、山梨県甲府市へ行ったことがある。果物屋の店頭に
大きな柿が並んでいた。甲州百目だ。私はその柿を二つ求め、一つをAさんにあげ
た。(以下略)
著作権の関係もあり、すべて引用することはやめます。その後、どんな展開になるのか、
『図書』を手にご一読をお勧めしますが、それで終わってしまっては物足りないので、
簡単にいいますと、Aさんは、坪内さんからもらった「大きくてうまそう」なその柿を
早速に皮をむいて、子どもたちとともに家族みなで口に入れたのだそうです。
それが連載第20回の記事タイトル「ひりひりごわごわ」すなわち柿の渋みだということで、
Aさん一家、とりわけ子どもたちは、身を以てそれを体験することが出来た・・・、
というような内容が枕になっており、柿の渋についての興味深い話を展開さています。
さて、はじめの写真は、先日の夕暮れ、何気なく撮った柿畑の甲州百目柿です。
山梨では、各地で栽培されていて、基本的には皮をむいて晩秋の陽射しと寒風にさらしてつくる
干し柿(あんぽ柿)として出荷されるものです。
その甲州百目柿ですが、今年は、秋の早い段階から危機的な状況だということが
話題になっています。
それはどういうことか。
みなさんもご記憶のこの夏の猛暑が災いし、なり年にもかかわらず、たくさんの実が
はやばやに赤くなって落下してしまう・・・、ということのようです。
そのため、収量が相当に落ち込み、甲州名物とされた吊し柿のオレンジのすだれが
幾重にも見られるあの光景についても、希少価値が出てくるのではないかと思われます。
この記事を書き始めたとき、折しもNHK-TVのニュースの中で、
長野県飯田市での「市田柿」の収穫期に、やはり猛暑の影響で、収量が1割減と
伝えていましたが、甲州百目の場合、もうちょっとひどいようです。
もう何十年も甲州百目を栽培し、干し柿作りをしてきたが、こんな年は初めて・・・
そのようにテレビの取材に応えていた、甲州百目柿の本場、甲州市内の農家の方が
話されていましたが、自然の世界のあちこちで、歯車の乱れが出てきていて、
もうどうにもならないところまで来て、人が初めてそれに気付くのではないか、
そんなふうに思った夕暮れの柿畑の甲州百目柿のスケッチでありました。
実はもう各地で稲刈り始まっています [田や畑でスケッチ]
2010年9月4日、土曜日、市川三郷町下芦川地区のスケッチです。
もう稲刈りシーズンを迎えています。
刈り取りこそは、バインダーで行われていましたが、
その後は、“牛”にかけて天日干し。
暑い日が続きますので、乾きも早いのでは・・・。
実りの秋の農作業、せわしくなりそうです。
かかし、かつやく [田や畑でスケッチ]
実りの秋を迎え、稲穂が垂れてきました。
(この話題を拾ったのは、先月=2010年8月の末のことでした)
実りの秋は、心配の秋でもあります。
水田の場合、実りかけた段階から、スズメなどの野鳥に狙われるからです。
収穫を損なわれないようにと、さまざまな手段が講じられます。
ピカピカ光るテープが張りめぐらされたり・・・。
定番のかかしが活躍を始めたりするのです。
こちらのかかし、男っぽい感じがしますが、よく見るとそうでもない
不思議な雰囲気のかかしです。
作業用の雨合羽を衣装としているので、重厚感が出ています。
しかし麦わら帽子の赤いテープや、なで肩、首もとのリボンなど
女性を感じさせるものもいくつかあります。
こちらは、一見、お姉さん風です。
しかし、極端ないかり肩。ちょっと恐い感じ。
よく見ると、一本脚のかかし・・・ではなく、二本のおみ足が・・・。
ある有害鳥獣対策?!の一例です [田や畑でスケッチ]
山梨県の南西部、峡南とよばれている地方の 山間部の畑で見たひとコマです。
鍋焼きうどん、たくさん食べて、空いたアルミのお鍋をいくつも棒につるし、
風が吹いたりすると、ガラガラと音が出る・・・。
山間部ならではの創意工夫は、有害鳥獣との戦いの中から生まれたものなのでしょう。
画面手前を斜めに横切る4本の電線は、いわゆる電気柵とよばれるもの一部。
その電線には、高い電圧が通じていて、サルやシカなどを寄せ付けないための施設ですが、
鍋焼きうどんの空き容器は、それよりもずっとローテクな鳥獣害対策ではあるに見受けられました。
《補記:2024.4.17》画像リンクの再設定を行いました。
スズメ脅しとアニマルキラーと [田や畑でスケッチ]
実りの秋を迎えると、農家の方々は、たいへんです。
鳥や獣たちも、実りをよろこんでいるからです。
写真は、“スズメ脅し”です。
先がカーブした棒の先につり下げられた空き缶。
これが揺れるとガラガラと音を立て、水田の実りをついばみにくるスズメを
脅かして追い払ってしまうという仕掛けです。
ガラガラと音を出すためには、適度に揺すってあげなければならないのですが、
農家の方がつきっきりで揺らすわけにはいきません。
そこで、いくつかの空き缶の上に、アクリル板のようなものをはさみ、
それで風を受け、揺らせて、音を出すということになっています。
いま流行のエコ・パワーですね。
水田の近くの畑では、こんなの見ました。何だと思いますか。
フクロウの形した・・・ [田や畑でスケッチ]
フクロウの形をしてるものですが、
いったい何でしょう???
まあるく大きなお目々は、鏡になっています。
そこがポイントのよう・・・。
畑の隅のカキの木の枝に下げられていました。
悪さをする野鳥を寄せ付けないための、鳥除けだと思われます。
市川三郷町の山保地区で見た光景で、
先ほどの鳥除けも、こうした光景の延長にありました。
農家の二階には、オレンジ色に輝く吊し柿、その下には大根が干され、
白壁のお蔵の屋根には、昔ながらのテレビアンテナが建ち、
お蔵の手前には、竹竿に作業着が干され、
屋敷の隅には、ナンテンが赤い実を輝かせ・・・
年の瀬を迎えてはいるものの、どことなく時間がゆったりと流れている
とてもすてきな光景として感じられました。
あきつ [田や畑でスケッチ]
今日のお昼休み、とても美しい水田を見ました。
今日はとてもよい天気で、各地で、稲刈り作業が盛んに行われていました。
わが家でも、今日までに稲刈りが終了となりました。
そんな中で、ここはまだ刈り取り前でした。
じっくり、じっくりと、秋の日を浴び、一段とお米のおいしさが
積み重なるのを待っている・・・そんな感じがしました。
その田んぼの中をたくさんの赤トンボが飛んでいました。
それもオスとメスが連結して飛んでいるものが多かったのです。
どうやら、産卵をしているようでした。
トンボの産卵というと、オスとメスがつながって飛びながら、
メスがいちばん後にある産卵器を水面に付けて産卵するものというイメージが強く、
稲刈り前の水田の、稲穂の波の上の方で、産卵をするなんて、どういうこと・・・。
しかも、田んぼは、もうすっかり水が切って落とされているのですよ。
いろいろ調べたら、赤トンボと一口に言っても、その代表格は、
アキアカネとナツアカネ。二つの種は、見かけ上はほんとによく似ています。
でも、いくつか違いがあって、一つは胸の模様の違い。
もう一つは産卵の仕方・・・だそうです。
アキアカネは、トンボの一般的な産卵イメージのとおり、
水面に、ツンツンとメスのおしりが差し込まれて産卵していきます。
ところが、ナツアカネは、実った稲穂の上の方から、水田に卵をまき散らすように
産卵するのだそうです。
トンボのことを古くは秋津と称したことなどは、昨年の今ごろに
書き記したことがありますが、豊かな実りをもたらす水田が広がる
日本列島は、別に、「秋津島」といいました。
この場合の秋津、すなわちトンボは、どうやらナツアカネのことのようです。
ナツアカネは、水田ととても深いつながりのあるトンボなんだそうです。