知るは・・・ [ふむふむ そうなんだぁ!]
例によって、あやしい記事タイトルで始まりました。
今日のテーマは「知るは保護の始まり」です。
ますますあやしい・・・ まあ、ゆっくりお読みください。
この記事のトップの写真は、笛吹市御坂町上黒駒にある
檜峰神社の拝殿の写真で、2006年6月3日撮影です。
つまり昨日、この檜峰神社を初めて訪ねました。
拝殿の手前の境内の一角に、「標高1,090.06メートル」と
刻まれた石の標柱(ただし数字は漢数字表記)が建てられていますので、
かなり高標高で、空気もひんやり澄みきって、とてもさわやか・・・
霊験あらたかな雰囲気がただよっていました。
さらにこの境内には、次のような説明板・・・実はこれが今回の記事のポイントです・・・
が設置されています。
この説明板の趣旨は、この神社周辺は、「ぶっぽうーそー」となく鳥が
平安時代以来、長らく信じられてきた「ブッポウソウ」という鳥ではなく、
「コノハズク」という鳥なのだということが、わが国で初めて確認されたのだ、
ということを重点に書かれているのです。
この偉大なる錯覚と昭和10年に当地での重要な発見のいきさつについては、
“山と渓谷社”から2004年に出版された中村浩志著
『甦れ、ブッポウソウ』という御本を参照されたいのですが・・・
(手っ取り早く知りたい方は、次のブログを参照されますように・・・
フーシエさんの『東海雑記』の2005年8月5日の記事)
現在、山梨県の指定文化財のリストの中に、県指定天然記念物として
昭和33年6月19日付けで指定された『檜峰神社のコノハズク生息地』
があります。
この文化財指定に際しては、説明板の中にも見える中村幸雄先生が
指定のための調査書を作成されたとのことで、その中に冒頭にかかげた
「知るは保護の始まり」という言葉がつづられていると
関係者から、うかがったことがあります。
きちっと、事実を解明し、それが何であるか正しく把握して始めて
なぜ保護が必要なのか、どう保護すべきか、が理解されてくる・・・
そうしたことがとても大切なことだと思われます。
ともかくこの檜峰神社は、山梨でもたいへん由緒深い神社の
一つであるばかりでなく、文化財保護の分野においても聖地なのです。