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本遠寺スケッチ・その1 [寺院めぐり]

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「ええぇ~い! しずまれ、しずまれっ、このもんどころが めにはいらぬか!!!」
ご存知、徳川さまの家紋の「丸に三つ葉葵紋」です。金ピカの・・・。

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 身延町大野にある、日蓮宗の名刹・大野山本遠寺のご本堂でありまして、
先ほどの徳川さまのご紋は、大棟の飾りなのでありました。

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 境内に説明板がありまして、説明板というよりは、そのタイトル通り
「寄附勧募のお願い」という、いわば勧進案内ですね。
これに曰く、

  平成十四年より六ヶ年をかけて、徳川御三家の内、紀州家と水戸家の祖が、
  家康の側室であり、御二方の生みの親である「お万の方」の要請で建立された
  当山の本堂・鐘楼堂が三百五十年の歳月でご覧のとおり老朽が激しく
  文化庁・山梨県・身延町の助成を戴きながら修復致すこととなりました。
  完成のあかつきには、建立時の往古の姿に復すべく、左記の通りに勧募・・・

ということで、まだ解体修理が行われる前に設置された勧進案内のようでした。
今回、スケッチしたように、ご本堂の修復は終わっていて、
この夏の初めには、落慶法要が盛大に挙行されたとの報道もありました。
 勧進案内には、当然続きがありまして、「左記の通り」とは、
総工事費予定額が13億2063万円余で、この額には、国と県と町の補助金が使われ、
お寺さんの用意する経費2億6千万円について勧募します、一口1万円から・・・
となっていました。
 信心の証として、勧募に応ずる場合はさておき、公費からの10億円近くのお金、
これについては、いろいろな見方があるのではと思われます。
残念ながら、修理前の写真を持ち合わせていないので、
ビフォア・アフターみたいな評価ができないのですが、伺うところによると、
後世に瓦葺きとされたことにより、屋根の重みが増大し、ついには支えられなくなってきたので、
垂れ下がった軒を元に戻す解体修理を進める中、檜皮葺の当初の姿を復元する
各種の証拠が見つかり、最終的には、「完成のあかつき」としていま見るように、
りっぱな檜皮葺のご本堂が蘇ったのであり、在りし日の歴史的な姿が、いまに理解できるもの、
また今回の修理により、向こう300年程度、文化財としての姿が続くのであれば、
年にして400万円ほどの割合であり、考えようによっては、お安い負担ではとも。

 たまたまお参りした本遠寺さん、まだまだ話題がいっぱい、続きをお楽しみ。
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